トヨタ博物館 (3/8) 戦後の混乱 (1919-1924) / ヨーロッパの平和 (1925-1929)

1920(大正9)年 Daimler Type 45

第1次世界大戦終結後から第二次世界大戦勃発前までの1919年から1939年までを「大戦間期」と呼び、世界史において重要な時期とされている。

ヨーロッパ
第1次世界大戦で深刻な被害を受けたヨーロッパでは、敗戦国も戦勝国も、戦争で受けた打撃からなかなか立ち直れずにいた。しかし、戦後5年もすると(1924年頃)、ようやく、そういった状況から脱することができた。人々の生活にゆとりが生まれ、大衆文化が発達した。

大戦の反省から、ヨーロッパ各国は協調外交を行い、平和な時代が訪れていた。しかし平和は長くは続かなかった。1929年に「世界恐慌」が起きると、各国が「ブロック経済体制」を敷き、自国経済保護に転じた。そういった保護主義は「持たざる国」の不況をさらに加速させ、ドイツ・イタリアに「ファシズム」が台頭する直接的な原因となった。

アメリカ
国土が大戦の被害を受けなかったアメリカには、「狂騒の20年代」と呼ばれる未曽有の好景気が訪れていた。

しかし狂騒の時代は、アメリカでの株価下落に端を発した「世界恐慌」で終焉を迎える。

時のフーヴァー政権は、古典的な「経済の自由放任主義」の原則を守り、対応を誤った。続くルーズベルト政権は、それまでの放任主義を捨て、政府が積極的に市場経済に関与する「ニューディール政策」を実行した。

日本
第1次大戦中は「大戦景気」を満喫し、人々は「大正デモクラシー」という自由な空気を謳歌していた。

しかし、戦争が終わると関連株価が下落して「戦後恐慌」が始まった。1923(大正12)年の「震災恐慌」、1927(昭和2)年の「昭和金融恐慌」、さらには1929(昭和4)年の「世界恐慌」が続き、慢性的な経済不況から脱せずにいた。日本は中国大陸での権益確保に活路を見出し、急速に軍国主義に転換する。

1922(大正11)年 Morgan Aero

1922(大正11)年 Sunbeam GP

1923(大正12)年 Essex Coach

PHOTO BY ETO

1924(大正13)年 Austin Seven Chummy

1925(大正14)年 Minerva 30CV Type AC

PHOTO BY ETO

1925(大正14)年 Citroen 5CV Type C3

1925(大正14)年 Chevrolet Superior Series K

1926(昭和元)年 Bugatti Type 35B

1927(昭和2)年 Bugatti Type 52

1927(昭和2)年 Pierce-Arrow Series 36

1928(昭和3)年 Hispano-Suiza 32CV H6b

PHOTO BY ETO

1928(昭和3)年 Ford Model A

1929(昭和4)年 Duesenberg Model J

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