2015/5/30-31 浅間ヒルクライム

 E藤さんが、アサマ2000スキー場で開催された浅間ヒルクライムにコース・マーシャルとして参加されてましたので、そのレポートを紹介させていただきます。

 浅間ヒルクライムは競技ではなく、スキー場に至る公道を封鎖して、「レース形式」のパレードランを行うといったものです。あくまでお遊びですが、今年から前車のオーバーテイクが可能になり、できる限りレースに近づけたいという主催者の意欲を感じます。

 コースは約8.4キロのタイトな峠道で、急こう配とヘアピンカーブの連続で構成されています。見ている限り新型のFIAT500くらいが一番楽しそうでした。主催側としても小柄のスポーツカーや旧車に多く来てほしいというのが本音のようですが、スポンサーはやはり最新の車を宣伝したいようで、大柄なGTも多くエントリーしています。結果的に車種は多種多様になり、見ていて楽しいのでWin-Winではないでしょうか。

 二輪車のエントリーは未だ少な目ですが、HRCは相当協力的です。(主催者内部にコネがある?ようです)今回、213V-Sのお披露目で二輪車の注目を一手に引き受ける手はずだったのに、NINJA H2がエントリーしたおかげですっかり2強扱いになってしまいました。不憫です。

 また、今年は出ていませんが、前年度は同会場でピアッジオ主催の二輪イベントが併催されていて、モトグッチ&ベスパの展示ブースがありました。ほか出展は、MVアグスタ、SNAKE MOTORS、ACE CAFE LONDON(アパレル)などいわゆる「ちょっとオシャレなバイクライフ」系が多めです。(DUCATIがスクランブラーを作り、原宿にアンテナショップをオープンさせるのもわかる気がします)

003

1日目

 午後2時半に横浜の自宅を出発し、6時から現地にてスタッフミーティング。この時刻で既に、一般の見学客が開場入りしていました。今年からエントリーが100台以上になり知名度が上がったこと、また公道封鎖による渋滞を見越してのものだと思います。

 昼頃、公道が封鎖されてイベントが始まります。峠の入り口がスタートで、そこからバラバラにスタートしていきます。前述の通り今年からオーバーテイクが可能になったとのことで、前年までは黄旗・赤旗のみだったマーシャル・フラッグに青旗が追加となりました。滅多に振らないだろうと思っていましたが・・・ロータスヨーロッパが駆け抜けていった後にR34GTRがリアスライドさせながらぶっとんでいき、その後にフェラーリがV8サウンドをぶちかましてやってくるといった感じで、無線からは青旗を出せとか、○○コーナーでS15シルビアがケータハムをオーバーテイクしていっただとか、常に連絡が入りっぱなしで大忙しでした。

004
 イベントの性質上トラブルも多く大変でした。「レース」なら起こりえないトラブルが沢山・・・

 目の前でロータスがスピン、ガードレールでべっこし・・・現場を画像で抑えたい気持ちでいっぱいでしたが、人としてどうかと思い、ぐっとこらえて事故処理をしていました。(スピンしたロータスの後にRCV213V-Sが来ていて、危うくRCV213V-Sの初公道走行で初クラッシュになるところでした)

 葉巻型のロータスその他、クラシックカーからのオイル漏れ。古い車なので仕方がないとはいえ、処理が大変でしたが、最近のクルマでもオイル漏れがありました。ポルシェ 911 GT3のドレンボルトが緩んで落下、全オイルが抜けて道路中オイルまみれ。ドレインボルトにワイヤリングをしていなかったようです。(来年度からワイヤリングを義務付けるべきではという意見が会議で出ました。)

 さらに事故処理待ちでコース上に停車させられた参加車のオーバーヒートのトラブルが続出しました。競技用にチューニングされたマシンやフォーミュラカーが、急こう配で長々と停止させられるなんて想定していなかったことでしょう。こうしたトラブルから連鎖して発生するトラブルで、当該地点の担当者は大変なようでした。(私はスタート地点近くのコーナーでしたので、ただただオイル処理をしていただけでした)

 最大のトラブルが、サイドカーの単独事故です。ゴールに近い上の方のコーナーで、コントロールを失ったサイドカーがコンクリートの壁に激突。ドライバー、コ・ドライバーとも路上に吹っ飛ばされ、動けなくなってしまいました。(この件でこの日の午後の走行は中止となりました。ちなみに両名とも骨折のみで済んだとのことです。サイドカーはスリックタイヤを装着していました。タイヤに十分な熱が入らなかったのではないでしょうか?)

 午後の走行が中止になったことで、初日はこれでお開き。夜にはスタッフミーティングを兼ねた宴会がありました。スポンサーの朝日酒造が久保田を持ってきていたので、ぐびぐびやってました。

2日目

 サイドカーの事故は単独事故で、けがも深刻なレベルではないとのことで、イベント2日目は無事開催になりました。2日目はメイン会場で車の誘導をやっていただけなので、特に書くこともありませんが・・・ずらっと並んだ高級車・レーシングカー・クラシックカーは壮観でした。

HONDA RC213V-S

 今回のサプライズがRC213V-Sの実走行でした。

 6月11日のプレスリリースで、ついにRC213V‐Sの販売価格が発表されましたね!2,190万円とのこと。日本仕様のパワーはわずか70ps!!(ヨーロッパ仕様・159ps、US仕様・101ps)レースキットを組むと215ps以上だそうですが、たった(?)5万ドルのH2Rが300HPを標榜していますから・・・

■Hondaは2013年・2014年のFIMロードレース世界選手権(以降 MotoGP)のMotoGPクラスにおいて2連覇を達成した競技専用マシン「RC213V」の一部仕様を変更し、一般公道での走行を可能とした「RC213V‐S」の商談受付を7月13日(月)より開始します。(略)

(略)今回の「RC213V‐S」は、これまでのHondaがレース参戦で得た技術の市販車への還元ではなく、MotoGPに参戦するために開発したマシンを一般公道で走行させるという新たな試みです。(略)

(略)「RC213V‐S」では、RC213Vの徹底したマス集中化とフリクション低減や、MotoGPマシンとして量産車と圧倒的な差を生んでいる製造上の“構成部品の軽量化と加工精度”“製作時の高い技能”を全て踏襲し、併せてRC213Vに採用されている制御技術も搭載しました。(略)「RC213V‐S」では、一般公道仕様としてRC213Vから必要最低限の変更と追加を行いました。

メーカー希望小売価格は、(略)日本税込21,900,000円(略)に設定しています。
※ クローズドコース専用キット別売(アメリカは販売いたしません)

■RC213Vからの主な変更・追加点
[メンテナンス性からの変更項目]
・カムギアトレインを踏襲しながらも、ニュウマチックバルブを、コイルスプリング式に変更。
・シームレストランスミッションをコンベンショナル方式に変更。
※上記変更点は、オープンカテゴリー用市販レーシングマシンRCV1000Rと同仕様。
[一般公道走行のための追加項目] 
・ヘッドライト
・テールランプ
・ライセンスランプ
・前・後ウインカーランプ
・左・右バックミラー
・スピードメーター
・触媒付きマフラー
・ライセンスプレートホルダー
・ホーン
・Hondaスマート・キー
・セルスターター
・サイドスタンド など
[一般公道走行のための変更項目]
・ハンドル切れ角:15度 → 26度
・タイヤ:ブリヂストン社製RS10
・フロントブレーキディスク:ユタカ技研社製(ステンレス材)
・ブレーキパッド:ブレンボ社製

HRC

 ワークスマシンのパーツを触ってください、という展示。太っ腹!!

#80 DUCATI Mk1

#M-20 NORTON MANX 30M

#M-21 NORTON COMMAND PRODUCTION RACER

MV AGUSTA

 アグスタジャパンのトレーラーは日野レンジャーです。パネルウイングがカッコイイ。

MV AGUSTA F3 800Ago

 タンクにアゴスチーニ直筆のサインがなされているという300台限定モデル。

MV AGUSTA 500 Tre

 新車!?と思えるほどピカピカの3気筒。ええ、新車なんです。当時の設計図そのままに再生産されたうちの1台とのこと。

Dirt Tracker

 専用フレームを持つダートレーサー。

 モトクロッサー改ダートレーサー。

#25 MR

#24 KUMANO LCR-GSX-R1000

KTM X-Bow

 まるで巨大な昆虫ですね。

#3 MSCJ TiXLiS N-1

 今回の目玉の一つ、完全オリジナルで製作された車両とのこと。

#14 WEST Baby Cobra

 日産ザウルスにコブラのボディを架装。

#10 NISSAN SAURUS JR

 ザウルスJr.のシャーシにS600のボディとエンジンを積んだもの。奥はホンダZ。

 ちなみにザウルスJr.のシャーシはこちら。完成車270万円、キット240万円。バブル景気でしたね~
saurus

NISSAN GTR (R32)

#A-05 TOMMY KAIRA ZZ

 1997年販売。英国生産で総生産台数は206台。エンジンはプリメーラに使用されていたSR20DEに吸気をケーヒンFCR化。シャーシは、アルミツインチューブ・モノコック。ボディデザインは由良拓也による。

SUZUKI FORMULA HAYABUSA

全日本ジムカーナ選手権Dクラス用あるいはスズキスポーツ主催のワンメイクレース用として市販されたフォーミュラです。鋼管スペースフレームはスズキ内製で、エンジン、ミッションはハヤブサのものをそのまま搭載しており、2.46kg/PS(車両重量430kg・最高出力175PS)、6速シーケンシャルミッションを実現しています。

Mitsubishi Galant Coupe FTO GSR

 ギャランGTOの弟分。1973年に登場したホッテストバージョン「GSR」は派手なオーバーフェンダーを装着し、SOHC1.6Lにツインキャブを組み合わせ110PSを発揮。1975年、ランサーセレステにその座を譲り、生産終了。

Subaru WRX STI RALLY & TOYOTA 86

Old & New CAROLLA

 新旧カローラのホットモデル。TE27スプリンター・トレノとAE86レビン。

#52 TOYOTA CERICA XX2000GT

Ariel Atom 2

 アリエルは英国のビルダー。アトム2は2003年からの製造。エンジンはホンダのK20A型i-VTECエンジン(2.0L)。456kgの軽量ボディを100km/hまでわずか3.7秒で引っ張ります。

#A-10 CATERHAM SUPER SEVEN

S-14 Caterham Seven 160 & S-16 LOTUS ELISE S CLUB RACER

#60 LOTUS 2-Eleven

 ロータス・エリーゼ以来のアルミ材をエポキシ接着したシャーシに外部パネルはシャーシにボルト留め。スーパーチャージャーを装備した1.8Lエンジンは、最高出力 255PSを叩き出します。

Louts ESPRIT S2

Louts Europa TC

#22 LOTUS TYPE 59

 1969年から1970年の2年間に渡り製造されたロータス製市販F2レーサー。搭載するエンジンを変えて、フォーミュラB、F3、フォーミュラフォードにも使用されました。

#6 Louts 23B

 まだコリン・チャップマン本人が設計していたころのスポーツカー(の皮を被ったレーサー)。23Bは1963年に出されたオリジナル23に対する最初の改良型。

Old & New MINI

 新旧ミニ。手前が #54 BMW MINI John Cooper Works、奥が #55 ROVER MINI John Cooper 1300s。

#S-22 ASTON MARTIN V12 VANTAGE S

#S-10 BENTLEY Continental GT Speed

Lancia Delta

Alfa Romeo 4C

Lamborghini Gallardo

Ferrari F355 Challenge

Ferrari F151 Concept & F355 Challenge

Porsche 911 (930)

BMW i8

Alpine Renault A110

手前が #49 A110 Gr.4、奥が #48 A110SX。

#S-11 RENAULT LUTECIA RS

CHEVROLET CORVETTE C7

 このコンバーチブルとタルガトップは日本(世界?)初公開なんだそうですよ!!

 ステングレイ形状のウインカー。

CHEVROLET CORVETTE C2

超ド級クラス

#S-25 Bugatti Veyron

 1998年、フォルクスワーゲングループによって設立された新生ブガッティブランド初の市販車。2005年から発売。

#S-28 McLaren 650S & #S-29 Lexus LFA

Pagani Zonda C12 S

 ランボルギーニ出身のオラチオ・パガーニによる設計。エンジンはAMG製のV12。

#S-24 PAGANI ZONDA F

GUMPERT Apollo S

 グンペルトはアウディの元エンジニア、ローラント・グンペルトが設立したドイツのスーパーカー・メーカー。エンジンはアウディ製4,163ccV8ツインターボ。最高出力は650PS、最高速度は360km/h、0-100km/h加速は3秒。
 2009年8月以来、2013年9月にポルシェ 918に破られるまでニュルブルクリンク北コース「公道走行可能なクーペボディのスポーツカー」として最速記録を保持していたそうです。

最後に

 まだまだ始まったばかりのイベントとはいえ、安全面などはこれで大丈夫なのか?パレードランとはいえ厳格なルールが必要では・・・などなど思う所はありますが、純レーシングマシンからドリフト仕様車からNSR250から・・・ごった煮で色々走ってきて見飽きることはないは他のイベントにない魅力だと思います。マーシャルの仕事は軽く脱水症状になるくらい大変ではありましたが、WRCレベルの近距離で走るマシンが見られるのは非常に貴重な体験でした。

 今年の10月にも軽井沢の白糸ハイランドウェイで同巧のイベントをやるそうですので、ご興味を持たれた方は是非会場に足をお運びください。
http://asama-fes.com/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です